dvipdfmxのエラーが表示されたときは

◆フォントに関するエラー

dvipdfmx:warning: Could not locate a virtual/physical font for TFM "rml".
dvipdfmx:warning: >> This font is mapped to a physical font "ipaexm.ttf".
dvipdfmx:warning: >> Please check if kpathsea library can find this font: ipaexm.ttf
dvipdfmx:fatal: Cannot proceed without .vf or "physical" font for PDF output...
フォントファイルipaexm.ttfやipaexg.ttfが存在しないために表示される警告です。
対処方法は2つあります。

対処方法1: フォントファイルをインストール

ipaexm.ttfやipaexg.ttfは、LaTeXインストールファイルluatexja.tar.xzの中に入っています。(2018年8月31日現在)
LaTeXインストールフォルダ(C:\w32tex)以下に、luatexja.tar.xzをtar展開して必要なフォントファイルをインストールします。

対処方法2: Windows標準フォントで代替

ファイル「C:\w32tex\share\texmf-dist\fonts\map\dvipdfmx\base\kanjix.map」の以下の部分を編集します。
:
%rml   H ipaexm.ttf   <== コメントアウト(行頭に'%'を追加)(4行)
%gbm   H ipaexg.ttf
%rmlv  V ipaexm.ttf
%gbmv  V ipaexg.ttf
:
rml   H Ryumin-Light  <== コメントを外す(行頭の'%'を削除)(4行)
gbm   H GothicBBB-Medium
rmlv  V Ryumin-Light
gbmv  V GothicBBB-Medium
:

◆glyphlist.txtに関するエラー

dvipdfmx:warning: Failed to load AGL file "glyphlist.txt" ....
PDFファイルが正しく作成されていれば、単にエラーメッセージを無視します。

対処方法: ファイルをインストール

気になる場合は「glyphlist.txt」ファイルをインストールします。
glyphlist.txtは、LaTeXインストールファイルlcdf-typetools-w32.tar.xzの中に入っています。(2018年8月31日現在)
LaTeXインストールフォルダ(C:\w32tex)以下に、lcdf-typetools-w32.tar.xzをtar展開してglyphlist.txtファイルをインストールします。

◆図が表示されない

PDFファイル作成のエラーがなくても、PDFファイルを表示してみると図が空白になっていることがあります。

対処方法: graphicxパッケージのオプションにdvipdfmxを指定する

LaTeX整形結果はdviファイルに保存されます。dviファイル自体は「デバイス非依存」ですが、図の取り込みに関しては画面を出力デバイスとするプレビューア(dvioutなど)や、PDF形式ファイルへの保存を仮想出力デバイスとするPDF変換ツール(dvipdfmxなど)の処理に依存しています。
そのため、図を文書に取り込む際に、出力デバイスが何であるか、適切に指定して文書整形を実行する必要があります。
文書への図の取り込みにgraphicxパッケージを利用し、dvipdfmxコマンドを用いて整形結果のPDFファイルを作成する場合は、以下のようにgraphicxパッケージにdvipdfmxオプションを与える必要があります。

\usepackage[dvipdfmx]{graphicx}

LaTeX整形を再実行し、再度dvipdfmxを実行してPDFファイルを作り直します。
2019年12月22日